パソコンに駆逐されるAV家電、そして迷走する家電業界のその先にあるものは?

by 管理者
9月 23日 2012 年

液晶テレビが売れない、BDレコーダーが売れない、オーディオ機器が売れないというニュースが良く耳に入ってくる。

高性能なCCDの登場とメモリの低価格化によって、数年前に銀塩カメラはデジタルカメラに淘汰されてしまった。

何十万円もする車載ナビは、GPS機能を使ったスマートフォンや低価格のポータブルナビに置き換わっていくだろう。

ポータブルナビの価格

 

間違いなくAV家電はここ10年間で激しく新規参入と旧製品の統廃合が行われた分野であり、この背景にあるものは高性能・低価格化したパソコンの台頭といえる。

何故ならパソコンは何でもこなせる万能選手なので、これに各種インターフェースを付けてやれば安価にAV家電の代わりになってしまうからだ。

例えば、パソコンに1万円程度のチューナーボードを付ければ液晶テレビの代わりになり、さらに録画もできるのでお手軽にDVDレコーダーやBDレコーダーの代わりになってしまう。

リモコンが無いので多少使い難いが、「見る」・「撮る」の基本機能に不足は無く、さらに高機能な録画予約ツールがあれば、完全にDVDレコーダーやBDレコーダーの代わりになることも可能である。

しかもLANで繋げば、宅内のどこでもパソコンから視聴可能になるので、さらに便利になる。

メーカーは自社製品を売る為に「XXXリンク」なんてキーワードで縛りをかけているが、それに対してパソコンはオープンな世界なので、縛りをかけること自体ナンセンスで時代遅れなのだ。

こんなことをやっていたら売れるわけがない。

ヘビーユーザーは既にDVDレコーダーやBDレコーダーからパソコンに逃げてしまい、パソコンを使いこなせない人や居間の大型液晶テレビにしかDVDレコーダーやBDレコーダーは売れなくなるだろう。

AV家電はパソコンで実現出来る事ばかりなので、この分野で売り上げを伸ばすのは、なかなか難しいと思う。

むしろ、いかにパソコンと上手く付き合っていくのか?が重要になる。

 

例えば、こんな案はいかがだろうか?

50インチや60インチの高精細な大型液晶モニタをパソコン用モニタとしてラインナップし、TVチューナーと録画機能はパソコンに担当させる。

このパソコンは自作した物でも何でも良い。

さらにメーカーが専用のパソコンを用意すればリモコンも付けられるのでテレビやビデオの操作性が格段に良くなり、汎用のパソコンとの差別化も出来る。

外出先から帰宅してパソコンをサスペンドから復帰させれば、居間の大型液晶テレビでメールの着信を確認できるし、パソコンを使ってテレビ電話やチャットもできる。

そしてテレビも見られる。

さらに光電話ならネットワークへの親和性が高いので、ネットワークに接続出来る電話やFAXを開発して、パソコンから操作できるようにすれば良いと思う。

ちょっとした近未来的な雰囲気になると思うが、いかがだろうか?

 

 

製品開発の迷走ぶりも酷い。

パナソニックはスマートフォンからエアコンや炊飯器を操作できる製品を売り出すそうだが、市場調査をしたのかな?

パナソニックのスマート家電

 

独自性を打ち出すためにニーズの無い機能を付けても価格が上がるだけで何もメリットが無いことは明白で進む方向の分からない森の中で闇雲に動いてさらに結果を悪くするだけのように思える。

それどころか、不在な時に予期せず電源がONになって火災になることも考えられ、メリットよりリスクの方が大きいのではないか?

市場調査でワンセグが欲しいという結果が出ても、結局売れるのはワンセグの無いiPhoneばかり。

ワンセグのように有れば便利だけど、無くても困らないものは、結局不要なものと言える。

ここを理解しないと、パナソニックのようにニーズの無い製品を売り出す事になる。

情報に親和性の高い家電なら理解できるが、エアコンや炊飯器をスマートフォンを使って外出先から操作するメリットはほとんどないだろう。

スマートフォンで稼働時間のログを取ったり、電気代を一元管理したりできるかもしれないが、無くても困らないものは、不要なものでしかない。

 

 

シャープは洗米機能が付いた炊飯器を高級機として売り出すとのことだが、洗米した後の水を手動で捨てる必要があって面倒くさい。

この話を見いたときは、炊飯器に給水間と排水管を接続して全自動で洗米をすると思ったほどだ。

それなら目の付け所がシャープなんだけど、なんだかな~。

洗米機能が付いた炊飯器

「内ぶたの裏側に回転翼が2枚付いており、内釜に入れたコメと水をかきまぜる。」とのこと。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2300P_T20C12A8000000/

 

 

このような炊飯器を出すくらいなら、家庭用で200Vの炊飯器を出せば良いと思う。

ガス窯に比べて電気釜は火力が弱くて不味いのだから、高火力の200Vの炊飯器を開発すれば、100Vの炊飯器より上手い飯が炊けるだろう。

同様の理由から200Vの電気オーブンを製品化して高級機路線で売ればよい。

調理家電は上手い物を作ってこそ価値があるのだから、本質を忘れて小手先だけの改良を行い高級路線で販売するのは止めた方が良いと思う。

 

 

昔に比べると、競争相手が増えた上に製品価格が安くシフトしているので開発が難しいと思うが、まだまだ工夫する余地はあると思う。

少なくとも、不要な機能を付けて高級路線で販売することは止めた方が良い。

何故なら10万円かけて購入した炊飯器が2万円の炊飯器より不味かったら、他の種類の製品を含めて同じメーカーから購入しなくなると思うから。

この記事へのトラックバックURL