亀戸天神のガスボンベ爆発事故は何故起きたのか?

by 管理者
8月 05日 2014 年

亀戸天神でガスボンベ爆発事故のニュースを見て、原因が「爆発したボンベはフランクフルトをゆでる鍋をあたためていた。鍋を段ボールで囲うなどしたため、ボンベが高温になり、爆発した可能性が高いという。」とのことだった。
しかし、どうもこの報道に違和感があるのでブログに書き残すことにした。

記事

ガスボンベは過剰に温められるとガスボンベ内の圧力が高くなって安全装置が働き、ガスボンベが外れるはずだ。
もし、ガスボンベが外れていたら、コンロの炎は消え、それ以上ガスボンベが温められることはない。
よって、爆発は起こらなかったはず。
ニュースを見ていると使用者の不注意に聞こえてならない。

現場写真

段ボールで囲っても囲わなくても爆発する?

普段室内で鍋をやったときにカセットコンロの安全装置が働いてガスボンベが外れた経験のある家庭は少ないと思う。
これは季節的に気温の低い場所でカセットコンロを使っているため、ガスボンベが外れるほど高温にならないから。

しかし気温の高い夏場にカセットコンロを使うと話が違ってくる。
カセットコンロの廻りの熱がさらにガスボンベを温め、いずれ容器が限界を超えてしまう。
カセットコンロの蓋?というかカバーがガスボンベを覆っている構造のカセットコンロが多いことを考慮すると、直接外気がガスボンベを冷却できないから、段ボールで囲う・囲わないに関わらず爆発は起きたのでないか?
今回の事故は、ガスボンベの容器が限界を超える前に安全装置が働かなかったことが爆発した原因だと思う。

ヒートパネルが事故を誘発する?

10年ほど前のカセットコンロには付いていなかった部品が、今のカセットコンロには装着が義務化されている。
それがヒートパネルだ。

ヒートパネルが無い古いカセットコンロ
ヒートパネルが無い古いカセットコンロ

ヒートパネルが付いた新しいカセットコンロ
ヒートパネルが付いた新しいカセットコンロ

ヒートパネルがガスボンベを温めるしくみ
ヒートパネルのしくみ

上の写真を見ると炎が出るバーナー部に接した金属性のヒートパネル(赤枠で囲った部品)が炎の熱を伝導してガスボンベを温める構造になっていることが分ると思う。
ガスボンベには液化されたガスが入っており、その液化されたガスがボンベから気体となって(気化)外部に放出されるときに回りから熱を奪うためガスボンベが冷やされて温度が下がる。
温度が下がると気化し難くなるので、火力が小さくなる。
これでは使い難いので、ヒートパネルを使ってガスボンベを温めて気化を促進することにより、炎が強く安定するようになる。

しかし、上の写真を見ると気温が低い冬も高い夏も一様にガスボンベを温める構造になっていることが分ると思う。
もし、気温の低い冬を基準にヒートパネルを設計したら、当然気温の高い夏はガスボンベを温め過ぎることになる。
そうならないためにガスボンベが温められ過ぎて内圧が限界を超える前に安全装置が働いてガスボンベが外れるようになっているのだが、今回は正常に動作しなかったと思っている。

ヒートパネルは気温の低い冬には重宝する機能だが、気温の高い夏はどうだろうかか?
個人的には取り外しできる小さめのヒートパネルがあると良いと思うが、安全性を最優先したらヒートパネルは無い方が良いだろう。

今回の事故を車に例えるなら、エンジンだけでゆるゆると走っていれば問題ないのに、ターボやスーパーチャージャー(ヒートパネル)を装着して使ってさらに加速したから、限界を超えて車が爆発炎上してしまった。
本来なら安全装置(ガスボンベをコンロから外す)が働いて限界を超えないように設計されているけど、故障していたため機能しなかったみたい。
限界を超えるほどスピードを出すのは良くないから、ブレーキ(段ボールで囲わないで風とおしを良くする)を踏んで減速してね。

ニュースを聞いていたら、このように言っているように聞こえてきた。

ヒートパネルが義務化された理由

10年ほど前にカセットコンロのガスボンベは中身を使い切らないまま捨てられることが良くあり、清掃車の中で爆発して社会問題になっていた。
そこでヒートパネルをカセットコンロの製品化で義務化すれば、ガスを使い切ってからボンベを捨ててくれるので清掃車の中で爆発することは無くなるのではないか?という発想から導入が決まったものらしい。
ヒートパネルの義務化
※ 経済産業省の資料

ヒートパネルがあると、火力が落ちずにガスを最後まで使いきれるので、清掃車の事故は少なくなったかもしれないが、逆に気温が高い夏に使って爆発する事故は増えているのではないだろうか?

ヒートパネルの歴史は古く、昔は高価なカセットコンロしか付いていなかった。
それもそのはずで本来ヒートパネルが活躍する場所はアウトドア。
秋や冬のキャンプや標高の高い山で使うと重宝する。
だから使う人もヒートパネルがどういものか知っていたし、使う人も場所も限定されていたと思う。

しかしカセットコンロの全製品に装着が義務付けられた現在、これがどういうものなのか知らずに使っている人が沢山いると思う。
それを考えるとニュースがこんな報道をしている時点で事故はなくならないと思う。
そもそもヒートパネルは無い方が安全だと思うし、ヒートパネルを付けるなら面積を可変にして加温する割合が季節に応じて調整できるようにして欲しいと思う。

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